道に迷った時、地図や道しるべがあると気が楽になりますよね。
男性社会で生きるオス化女子のあなたも、「このままでいいんだっけ?」「イメージしていた女性像となんか違う」と道に迷ったことがあるのでは?

そんな時、それは旅路の途中で、誰もが通る道で、この後どうなるか分かっていたら、すごく気が楽だと思いませんか?

ここでは、女性なら誰もが経験すると言われる「普遍的なサイクル」を紹介します。ぜひ今のご自身と当てはめてみてください。

女性は「ヒロインの旅」を歩んでいく

この記事を書くきっかけとなった本があります。

ヒロインの旅ー女性性から読み解く〈本当の自分〉と創造的な生き方

ここには、古代神話の登場人物~現代女性までを考察して導き出された「普遍的なサイクル」が定義されていました。社会での活躍を目指す女性であれば、だれもが通るという人生のサイクルです。

この本を読み、共感の嵐でした。
自分自身もまさにこのヒロインの旅を歩んできたからです。
そして、このサイクルを知っているのと知らないのとでは、苦労の仕方がまるで違うと感じました。

本記事である【前編】では、ヒロインの旅について、現代の働くオス化女子に当てはめて解説します。【後編】では、記事を執筆している塾長自身の実例に当てはめてヒロインの旅をご紹介し、よりイメージを固めてもらえたらと思います

「ヒーローの旅」が続けられなかった女性たち

ヒロインの旅を語るのに欠かせない「ヒーローズ・ジャーニー」について簡単に触れておきます。

ヒーローズ・ジャーニーとは、「映画や物語で、大ヒット作や古くから語り継がれているようなものは、共通してこの構成になっている」という黄金則で、映画の構成術などに使われています。こちらがその構成です。

① 日常の世界
② 冒険への誘い
③ 冒険への拒絶
④ 賢者との出会い
⑤ 第一関門突破
⑥ 試練、仲間、敵
⑦ 最も危険な場所への接近
⑧ 最大の試練
⑨ 報酬
⑩ 帰路
⑪ 復活
⑫ 宝を持っての帰還

参考文献:クリストファー・ボグラー『神話の法則 夢を語る技術』(2010年)

要するに、普通の生活をしていた主人公が、何かのきっかけで冒険にでることになり、1度は絶体絶命のピンチになりながらも、仲間と乗り越え、大きな成果をあげて帰ってくる という構成です。昨今ヒットしたヒーローものの映画、ディズニーや昔話などを思い浮かべてみると、ああ確かにこうなってるな、と思えると思います。

そういったヒーローの姿を目にしていくうちに、いつのまにか男性的な成功のイメージを胸に抱くようになります。そして、向上心のある私たちがいよいよ成功したい!と思ったとき、男性的な成功モデルを目指し始めます。

でも残念なことに、多くの女性は、この法則に従って進んでいってもヒーローのようにはなれないのです。むしろ、「このままでいいのかな」「これって幸せなのかな」と苦しい思いをするかもしれません。

「ヒロインの旅」とは?

ヒーローズ・ジャーニーの元を辿ると、神話学者が古くからの神話を研究したものがベースとなっており、現代のような女性の活躍する時代には合わなくなってきました。

そこで現代女性のための道しるべが必要だとして、「ヒロインの旅」の著者が導き出した法則がこちらです。

① 女性らしさを離れて
② 男らしさに自分を近づける
③ 試練の道
④ 成功の幻想
⑤ 拒否する強さ
⑥ 通過儀礼と女神への下降
⑦ 女性性を見直す
⑧ 母/娘の断絶を癒やす
⑨ ハートがある男を探して
⑩ 二元性を超えて

…はい、これだけでは何のことなのかさっぱりかと思います。(神話が元になっているため、やや馴染みにくい表現が多いです)
それぞれどんなサイクルなのか、現代の働く女性にイメージしやすい例をあげて解説していきます。

女性らしさを離れて

「自分は母親のようにはなりたくない!」そう思う時期です。
母親は大好きなんだけど、どうしても共感できない部分もある。例えば、毎日家事ばかりでおしゃれや贅沢を楽しんでいない所。何をするにも父親にお伺いをたてないと決められない所。常に3歩後ろを歩いている感じ。

そんな母親を反面教師とするように、「自分は社会に出てバリバリ活躍したい!自立した女性になりたい!」という思いがふつふつと芽生えてきます。

男らしさに自分を近づける

「自分にはきっと男性社会の方が合ってる」と思う時期です。
女社会はどうも苦手。小学生の頃もすぐグループ作ったり、謎の派閥戦争に巻き込まれるのが面倒臭かった。社会人になっても、女性の職場だけは避けたいと思っている。

そんな人にとって、男性社会というのはなんとも気持ちが良いものです。余計な事に気をとらわれず、目標達成し、結果を出せば評価される世界。自分は普通の女の子とは違って、こういう世界でやっていく。そんな価値観ができてきます。

試練の道

男性と肩を並べ、バリバリ走り抜ける時期です。
思い描いたヒーロー像を胸に、成功したい、評価されたい、何者かになりたいと走ります。でも、周囲の男性から「女性はそこまでやらなくてもいいよ」という空気を感じて腹立たしいのです。
悔しいのでさらに頑張るのですが、やっぱり最後は男性には敵わない。そう認めざるを得ないことに、自己嫌悪にもなります。

成功の幻想

走り抜ける中で、だんだんと違和感に気付いてくる時期です。
収入アップやキャリアアップを目指して、仕事中心の生活を送ってきたがために失った物たち。恋人に寂しい思いをさせてしまっていた、女性らしさとはほど遠い見た目になってしまった、不健康な生活を長らく続けてしまった、あんなに親しかった友人たちからも声がかかることが減ってしまった…。
頑張ってきた結果、いつも不十分で満たされないのです。そして、求めていた成功が、本心じゃなかったと気付きます。

拒否する強さ

本心じゃないと気付いてしまった今、もうこれ以上頑張る力が湧いてきません。ここでは歩みを止める時期です。
今までは弱音を吐く自分なんて許せなかったかもしれません。でも勇気を出して言いましょう。「もう無理」「疲れた」「やりたくない」と。人によっては、体調不良やメンタルの崩壊で、強制的に歩みを止めざるをえないこともあります。
でも、オス化女子がメスに戻り一皮向けた自分になるためには、こういう時期が必要なんです。

通過儀礼と女神への下降

歩みを止めたら、自分自身と深く深く向き合う時期です。
本当はどうなりたい?それって人の目を気にしてない?本当に望んでるのは何?そんな問いを繰り返す日々が続きます。
今まで「こうしたい!」の気持ちを押さえて「こうあるべき」に自分をあわせてきた女性にとって、この問いは苦しいものです。小さい頃は、やりたいと願えばなんでも実現できたのに、おかしいな…ななんて思いながら、深く深く自分の内面と向き合います。
無理やり元気を出したり、何か行動に移したりしなくていいので、もう底の底まで落ちきってしまいましょう。

女性性を見直す

ここからは、自分を大事にし始める時期です。
定時きっかりで退社するようにしたり、手作りのご飯を作ってみたり、お風呂の時間ぼーっとしてみたり、エステを受けてみたり。気持ちの赴くまま、したいと思うことをし、自分を喜ばせていきます。

以前と比べると、何も頑張っていない自分や、前進も成長もしていない自分に罪悪感があるかもしれません。しかも、こうしている間にも周りの女性たちは先へ進んでいく…。でも焦らなくて大丈夫です。ただ喜んでいるだけで、このあとの旅路で必ず好転していきます。

この時期に、今まで苦しかった原因は自分がオス化していたからだ気づき、毛嫌いしていた女性らしさを見直し始めます。

母/娘の断絶を癒やす

女性らしさを見直しはじめると、なんだか母親への尊敬の気持ちが湧いてきます。あれだけ「母親のようにはなりたくない」と思い、わざわざ別の道を選んできたにも関わらずです。
そうやって母親を受け入れることが、同時に自分自身を受け入れることになり、本来の自分を取り戻していいと自分に許してあげることになるといいます。

ハートがある男を探して

「やっぱり男性的なのもいいじゃん」と思い直し、行動を始めたくなる時期です。
ここのところ、散々女性らしさを大事にして過ごしてきたためか、競争、結果、目標達成…といった男性的な事を重視する人と波長が合わなくなっています。そういう道に生きる人は、冷淡で人間味にかけるような気がしているからです。

そんな時、本当に成功した男性というのは、実はすごく他人思いで愛に溢れている事に気づく出来事があります。夢や感情、わくわくが原動力になっているんだと知り、共感します。
そして、やっぱり何かを成し遂げるためには、男性的な部分もバランス良く備わってないとだよね、と理解します。

二元性を超えて

最終的に、男性らしさも女性らしさも、どっちも持ってるのが自分だと認めます。男性だ女性だって、どちらのスタンスを取るか選ぼうとするから話が難しくなります。学生時代を思い出してみると、ただやりたいと思った事をやり、わくわくしているうちに、とんでもない行動量とともに、望む結果を手にしていたはずです。

それは自分の中にある、男性的・女性的な部分の双方が、自分にぴったりなバランスで作用していたんですね。元々知っていた、自分にとってぴったりなバランス。オスを経験し、メスに戻り、本来の自分を取り戻した今ならきっと再現できるはずです。

まとめ

ヒロインの旅はいかがでしたか?
もっと輝く自分になりたくて、頑張るほどになぜか苦しい。そんな違和感を感じているなら、ヒロインの旅に沿って、今の自分の位置を確かめてみるのといいかもしれません。ちょっと気持ちが楽になったり、今の自分に自信がもてると思いますよ!

さて、このヒロインの旅は誰もが経験するということで、もちろん塾長自身も、まさにこの旅路を歩んできました。【後編】では、塾長の実体験をもとにヒロインの旅を解説してみました。興味のあるかたはこちらも合わせて読んでもらうと、よりイメージを掴んでいただけると思います。【後編】を読む

参考文献:モーリーン・マードック『ヒロインの旅 ──女性性から読み解く〈本当の自分〉と創造的な生き方』(㈱フィルムアート社 2017年)